12月15日。ついにこの日がやってきた。
ぼくにとっての新世界、中南米。
スペインのマドリードからメキシコのカンクンへ飛ぶぞ。
3泊した居心地のいい宿をチェックアウトし、地下鉄でマドリード空港へ向かう。
14時55分のフライトだが、11時には空港に着いてしまった。チェックインカウンターが開くのは12時30分。それまで空港内をぶらついたり、音楽を聞いたりして過ごす。
ここで、ポケットの中に2.1ユーロぶん(約300円)の硬貨が残っていることに気づく。
これからぼくが向かうのは中南米。ユーロ硬貨など持っていても仕方がない。なにか食べ物に変えてしまおう。
なかなかいい食べ物が見つからず、小さなチョコレートを2.05ユーロで購入した。高級なチョコレートだ。あとで食べよう。
そうこうしているうちにチェックインの時間になった。列に並び、航空券を発券してもらうが、ここで一悶着あった。
空港でチケットを発券してもらうときの手順は、おおまかに説明すると以下のようになる。
1.インターネット上でクレジットカード決済にてチケットを購入する。
2.空港のチェックインカウンターでパスポートを提示し、チケットを受け取る。
3.荷物チェックやパスポートチェックを抜けて飛行機に乗る。
いつものようにカウンターでパスポートを提示すると、以下のように言われた。
受付「帰りの航空券は持っていますか?」
ぼく「持っていません。メキシコから陸路でグアテマラへ抜ける予定なので」
受付「それではあなたを飛行機に乗せることはできません。メキシコを出国するための航空券をいまここで購入してください」
ぼく「えっ」
電流走る。
この旅でもう何度となく飛行機に乗ってきたが、こんなことを言われたのは初めてである。
ぼく「なんとかなりませんか?」
受付「なりません。航空券を購入してください」
受付の女性はそう言ってぼくを突っぱねようとする。ぼくは納得がいかなかったので、近くに立っていた関係者2名を呼び、交渉してみた。
ぼく「これからメキシコに飛びたいんだけど、”片道航空券では飛行機に乗せられない”とこの人が言うんです。なんとかなりませんか」
受付の女性を身振り手振りで会話に巻き込み、話を大きくする。受付女性は少しめんどくさそうな表情をした。
すると関係者らしき男性は受付女性になにかを言って、その場を立ち去った。
受付「いいでしょう。航空券を発券します。ですが本来なら出国チケットも必要なんですよ。今回は例外ですからね」
なり「グラシアス」
無事チケットを発券してもらえた。
一体なんだったんだ。
荷物チェックとパスポートコントロールを抜け、空港内を電車で移動する。広い空港だ。
そして見つけたVIPラウンジにプライオリティパスを使って入場。
朝から何も食べていなかったので、ものすごく腹が減っている。今回のラウンジはなかなかの品揃えだ。
チョコドーナツがうますぎて4個も食べてしまった。
予定時刻を少し遅れて飛行機は離陸した。これから11時間のフライトだ。一度のフライト時間としては、この旅の最長記録である。
ウトウトしたり読書したり音楽を聞いたりして過ごす。
ぼくは客室乗務員の仕事ぶりを見るのが好きだ。洗練された服装に、無駄のない流麗な動き。
人の働く姿を見るのは楽しい。
19時30分頃。飛行機はカンクン空港に到着した。
出発がスペイン時間15時頃、11時間のフライトで、到着はメキシコ時間19時30分。あれ?と思うかもしれないが、これで正しい。ぼくは時差を飛び越えたのだ。
空港でメキシコ通貨「ペソ」を入手する。50ユーロ両替えしたら720ペソになった。さすが空港。レートが極悪である。
しかしバスに乗るためには仕方がない。現金が必要なのだ。
空港を出るとすぐにADOバスが見つかった。これでカンクンの中心部へ向かう。
バス料金は64ペソ。1ペソ=約8円なので、500円程度か。
21時30分。バスはカンクン市街地のADOバスターミナルに到着した。
メキシコは日本と同じ北半球の国であり、12月は季節的には冬である。しかし夜でも暖かく、半そでの人が大半だ。
バスターミナルを一歩出て周囲を見回し、気を引き締める。
ここは中南米。
これまでに会った多くの旅人から「中南米は危ない」と聞かされてきた、その中南米にぼくは来たのだ。
しかし、やることはいつもと変わらない。グーグルマップを起動し、目印をつけてきた宿「カサ吉田」の位置と方角を確認する。
バスターミナルから宿への移動など、いままで何度となくこなしてきた。簡単簡単。
カンクンの有名な日本人宿、カサ吉田。今回はここに2泊して、今後のルートを考えるつもりだ。
チェックインを終えてシャワーを浴び、ベッドに横になる。
カンクンの夜は想像以上に静かだ。
「長い一日だった」
30時間以上にも感じた一日を振り返りながら、ぼくは中南米の初日を終えた。
こんにちは。
2年前、僕がスト企のとき、神田周辺の物件でお世話になりました金子です!
覚えておられますでしょうか。
ブログ、ちょくちょくと読ませていただいております。
僕も以前メキシコへ旅行にいったとき、カサ吉田に泊まったので、懐かしくてコメントしました。
(そこには1泊しかできませんでしたが)
オーナーが作るBBQがうまかったこと、メキシコって国はおもしろいところだな、ということを思い出しました。
また楽しい、たまにバプニングあるブログを期待してます!
旅、楽しんでください。
>金子くん
お久しぶりです。もちろん覚えてますよ。
ブログ読んでいただきありがとうございます!