7月2日、水曜日。香港3日目の朝がきた。
ひどく蒸し暑い部屋。
外からは雨の音がした。
今日もいつものように5時台に目が覚めた。
世の中には2種類の人間がいる。休日に昼まで寝る人間と、休日に早起きしてしまう人間。僕は後者である。
ベッド脇に準備してあった水をゴクゴク飲み、さっそくブログ執筆に取りかかる。
書き終わるまでに3時間ほどかかってしまった。ブログ執筆の時間を短縮していくのも、今後の課題のひとつだな。
ブログ記事を書き終わったのが9時頃。窓の外では、雨の音が続いている。
「今日は雨か。ゆっくりしようかなぁ」そう思い、少しのあいだゴロゴロした。
ザアザア。
ザアザア。
雨の音。
ここで、おかしなことが起こった。カーテンをあけて外を見てみると、雨が降っていない。しかし雨音は続いている。どういうことだ。
僕は窓から顔を出して、狭い空を見てみた。
快晴だった。
雨音だと思っていたのは、無数に設置されたエアコン室外機や換気扇の音だったのだ。
「こうしちゃいられない」
急いで着替え、ノープランで街へ繰り出した。外へ飛び出す理由が「快晴だから」であってもおかしくはないだろう。
少し歩いているうちに、「そうだ、マカオへ行ってみよう。カジノでギャンブルしてみたい」と思った。
ざわざわ…と、例の効果音が聞こえてきた。
数分後、僕は船着き場にいた。昨日のスターフェリー用の船着き場ではない。マカオ行き高速船用の船着き場である。
高速船の船着き場はチャイナホンコンシティという巨大な商業施設の中にあり、場所がわかりにくかった。
50メートルごとに人に声をかける勢いで道を聞きまくり、なんとかチケット売り場までたどり着く。マカオ行きのチケットを160香港ドル(約2,000円)で購入。
出航時刻12:00までは1時間半ほどある。どこかで時間をつぶそうと思い、チャイナホンコンシティの中を歩いていると、スタバを見つけた。
またしても、スタバは死ぬほど混んでいた。なぜスタバはいつも死ぬほど混んでいるのだろう。スタバで床座り。
「こんなのスタバじゃない」と吐き捨て、僕は再び歩き出した。
しばらく歩いて見つけた飲食店で昼食。骨付き鶏肉と、スープで炊いたライスがうまかった。
このライスが本当にうまくて、ごはんをおかずにごはんを食えるぐらいのうまさだった。ごはんはおかず。炭水化物と炭水化物の、夢のコラボレーションである。
さて、いざ船に乗り込み、マカオ到着。心配だった船酔いはなかった。よかった。
マカオは香港とは別の国の扱いであり、入国審査・出国審査が必要。
イミグレを抜けてマカオの大地に立つと、カラフルなバスが何台も停まっていた。聞いてみると、各カジノへの無料バスらしい。
バスに乗り込み、当初から狙いを定めていたカジノ「LISBOA」へ向かう。これも沢木耕太郎「深夜特急」に出てくる。
自慢じゃないが、これまで僕は何度もカジノで荒稼ぎし、序盤から強力な武器を手に入れてきた。そう。ドラクエの中での話である。
勝てば顔が紅潮し呼吸が乱れ、負ければ失禁するような、ひりつく勝負がしたい。
軍資金1,000香港ドル(約13,000円)を握りしめ、僕はスロットの台に座った。
さあ、いざ勝負。
「ララァ、私を導いてくれ!」
結果、1時間後にはスッカラカンに。さあ帰ろう。
僕は自分を慰めるべく、次の言葉を引用した。
「負けたことがあるということが、いつか大きな財産になる」(スラムダンク・堂本監督)
「胸を脹れ!手痛く負けたときほど、胸を!」(カイジ・伊藤開司)
その言葉たちが、マカオの空にむなしく響いたのだった。
その後のことはよく覚えていないので、簡潔に書きます。船乗って香港戻ってカレーとアイス食べて寝ました。おわり。
(マカオ編・完)
え?!偶然見つけました!
昨日のことですよね?僕も昨日マカオ行ってきました!どこかですれ違ってたかもしれませんね!
>Dすけさん
ニアミスしてそうですね。「旅人あるある」というやつでしょうか。