君の知らない世界一周物語

Read Article

ボク、悪いインド人じゃないよ!日本語ペラペラなインド人に誘われて…

あなたは次の言葉を知っているだろうか。

日本語ペラペラなインド人には気をつけろ

これは旅業界でよく耳にするインド処世術だ。

 

インドに限らず、海外で困ったときは、日本語が話せる現地人に会うとホッとするものだ。

この心理を悪用し、流暢な日本語で日本人旅行者に近づき、金をだまし取る手口がある。ここインドでは、特にその被害が多いというのだ。

 

 

これと同等の効力をもつ言葉として、

向こうから話しかけてくる現地人には気をつけろ

というのもある。

 

これらを合わせると、

「向こうから話しかけてくる日本語ペラペラなインド人には超気をつけろ」

ということである。

 

 

 

前置きはこのぐらいにして、話をバラナシに戻そう。

寝台列車でバラナシに到着し、日本人オーナーの宿にチェックインした僕。

まだ13時だし、観光する時間はある。荷物を部屋に置き、ガンジス川を見に行くことにした。

 

 

 

ここがガンジス川かぁ。
IMG_7567

ガンジス川のほとりは火葬場として使われており、死体を燃やしているところを至近で見ることができるらしい。

僕が行ったときも、死体らしき包みがいくつか置かれていたが、時間帯が悪かったようで、火葬を見ることはできなかった。

あとから知ったのだが、朝方と夕方が火葬のピークらしい。

 

 

 

ゆったりと流れていくガンジス川を眺めていると、後ろから声がした。

「ユニクロのシルキードライ着てるね」

?!

電流走る。

たしかに僕が着ているのは、ユニクロのシルキードライ(速乾素材)のタンクトップだ。

振り向くと、そこにいたのはインド人の青年だった。

 

 

このテの声がけは無視することにしていたが、思いがけぬ単語(ユニクロのシルキードライ)がインド人の口から出たことで、僕のガードは下がってしまっていた。

僕「日本語うまいね」

青年「まあね。どこか行く?案内するよ」

僕「いやあ、日本語うまいインド人には気をつけろって言うじゃん?」

青年「そうかもね。でもボク、悪いインド人じゃないよ」

 

僕は一瞬、ドラクエの「悪いスライムじゃないよ」を思い出しつつ、話を続ける。まさかこいつ、ドラクエを知っているのか。

 

僕「名前は?」

青年「トシっていうんだ。タカアンドトシね」

僕「なんでそんなこと知ってるの?」

トシ「お・も・て・な・し、だよ(振り付けつき)」

僕「知ってるねえ。じゃあ、いつやるか?」

トシ「今でしょ」

僕「もうかりまっか?」

トシ「ぼちぼちでんな(ドヤ顔)」

僕「www日本語ほんとウマイねwwwww」

思わず、ここガンジス川のほとりで、草を生やしてしまった。

※草を生やす⇒ネットスラング。「w(笑い)」を連発することで、草が生えているように見える様から。転じて、「大笑い・爆笑」という意味。類義語に「ちょっっwおまw」「くぁwせdrftgyふじこlp」などがある。

 

僕は楽しくなったので、もうこれだけでチップを払ってもいいかな、という気になっていた。

 

トシ「ガンジス川見ててもつまらないでしょ。バザールのほう散歩行こうよ。お金はいらないから」

僕「よし、行こう。うまいラッシーが飲みたい」

トシ「うまいラッシー、バザール行けばあるよ」

 

そう言って、僕を先導するトシ。
IMG_7565

 

 

ガンジス川に平行する道を歩くこと10分。バザールに到着した。

バザールがにぎわうのは夕方からなので、まだ店も人も少ない。
IMG_7566

 

トシが教えてくれたレストランで、二人でバナナラッシーを飲む。

チップがわりに、トシにバナナラッシーをおごってやった。

バナナラッシーはたしかにうまかった。

 

 

 

その後、トシが経営しているという土産屋に連れていかれた。そこにはトシの兄を含めた5人ほどのインド人がたむろしていた。

ここで、なんとなくヤバそうな雰囲気を感じ取る。

 

「まあ座りなよ」と言われ、おずおずと腰を下ろす僕。

 

トシはなにやらアルバムを持ち出してきた。そこにはトシが日本人と一緒に写った写真や、大沢たかおの写真などがあった。

トシが言うには、トシの兄が大沢たかお主演「深夜特急」に出演したらしい。

※深夜特急⇒沢木耕太郎の紀行小説。仕事を辞めた青年が、アジアからヨーロッパまで陸路で旅をするという物語。旅人のバイブルとよばれている。大沢たかお主演で映像化もされた。

 

長澤まさみがドラマ撮影(ガンジス川でバタフライ)に来ていたときの写真も見せてくれた。

 

なんとなく危険を感じ始めた僕は、「へ〜、すごいね〜」と返事をしつつ立ち上がり、「そろそろ宿に戻るよ。バイバイ」と足早に立ち去った。

トシは追いかけてはこなかった。

 

 

 

もしかしたら、トシは本当にいいインド人だったのかもしれない。

だとしたら、僕は彼に悪いことをしてしまったのかな。

 

一人で眺めるガンジス川は、相変わらずゆったりと流れていた。

URL :
TRACKBACK URL :

Comments & Trackbacks

  • Comments ( 1 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. この人この前何人かで出張でバラナシであってます。割といい奴だけど、お兄さんが結構押しが強いので同僚は苦手だといっていた…

Leave a Reply

*

人気記事ランキング

Return Top