君の知らない世界一周物語

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写真は残酷な技術。アムステルダム到着後、体調不良でダウン

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泣き疲れた僕を乗せ、サヨナラノツバサは空を行く。

11月6日、14時30分頃。予定より少し遅れて、飛行機はアムステルダム(オランダ)に到着した。

アムステルダムはどんよりとした曇り空で、僕は故郷石川県の空を思い出した。

 

僕はひとつ大きく息を吐き、飛行機の座席を立った。

「それでも旅は続いていくんだ。いつまでも感傷に浸ってばかりいられない」

 

 

 

 

二人旅が終わって寂しい気持ちがないといえば嘘になる。それは僕の涙が、僕に教えてくれたことでもある。強がっていても、やはり僕は別れが寂しかったのだ。

しかし、いつまでも感傷に浸ることは僕のスタイルではない。

 

 

 

楽しかったとはいえ過去は過去。過去は過ぎ去ったものとして、心の片隅に小さなスペースを空け、そっと置いておけばいいのだ。

大切な思い出には、ホコリをかぶせておくぐらいがちょうどいい。毎日毎日取り出して眺めてとか、そういうことはしないほうがいい。

 

過ぎ去った思い出よりも、いま目の前にあるもの、目の前にいる相手に意識を集中する。そうしていれば、思い出には自然とホコリが積もっていく。

思い出に積もったホコリは、何年後かにまた掃除してやればいい。そうして時の試練をくぐった思い出は、そのときにはまた違った輝きを見せてくれる。

「悲しみは時間が解決する」とも言い換えられるだろう。

 

いつまでも過去に心を引っ張られる人は、次の一歩を踏み出せない。僕はそうなりたくはない。

 

 

 

だから僕は、いまはもうとなりにいない人が写った写真を見るのがあまり好きではない。なぜなら、写真とは過去そのものだからだ。過ぎ去ったはずの過去を切り取り、無理矢理この世に存在させてしまう技術だ。

人類の画期的な発明である「写真」という技術。たしかに使い方によっては素晴らしい技術ではあるが、写真はある意味残酷な技術だ。僕にはそう思える。

 

故人だったり別れた恋人だったり、二人旅の相方だったり。いまはもうとなりにいない人が、あたかもそこにいるかのように錯覚させる、危険な技術。それが写真というものだ。

もちろん、そういったある種のセンチメンタルを含むからこそ、写真は芸術にもなるし、人に涙も流させるのではあるが。

 

 

 

 

話をアムステルダムに戻そう。

飛行機を降りた僕は、入国審査をスムーズに抜けた。シェンゲン圏のゆるい入国審査。無機質な入国スタンプ。あいかわらずだ。

 

 

アムステルダム空港から市街地へは電車に乗っていこう。

アムステルダム中央駅までのチケットは5ユーロ。いまは1ユーロが140円ぐらいなので、700円ほどか。20分ほどしか乗らない電車でこの金額はそこそこ高いな。

オランダは物価が高いのかもしれない。

 

 

 

15時40分。アムステルダム中央駅に到着。
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ダウンジャケットが気持ちよく着られる程度には寒い。気温は7,8度ぐらいだろう。

 

 

 

予約してきた宿までは2km弱。iPhoneのグーグルマップを起動し、迷うことなく歩いていく。

180cmの長身かつ軽量バックパッカーということもあり、僕の早歩きは自慢じゃないがとても速い。もう、誰にも歩くスピードを合わせなくていいのだ。はぁ、センチメンタル。

 

「いつもどおりの笑顔でいこうじゃないか、なり」

心の中のポジティブな僕が、僕自身を元気づけてくれる。

 

やや微笑み、僕はアムステルダムの街並みを大股で歩いていった。

頬に当たる風が冷たく心地よい。

 

 

 

 

アムステルダムには運河がたくさん流れている。中央駅から放射状に伸びる運河は、世界遺産にも登録されているそうだ。

 

 

10分ほど歩いたところで、ものすごく腹が減っていることに気づく。ちょうど見つけたマクドナルドで、ベーコンバーガーといううまいハンバーガーを2個食べた。1個1ユーロ。
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いわゆる「100円マック」的なメニューはどの国のマックにもあるが、このベーコンバーガーは本当にうまい。普通のチーズバーガーに、ほどよく焼けたベーコンが挟んであるのだ。これが1ユーロなのはうれしい。

 

「そういえば、二人旅でもよく100円マックを食べたな」などと、少し油断するとまたセンチメンタルな気持ちになってしまう。あらゆる出来事が、二人旅の記憶を問答無用で掘り起こし、僕の目の前に突きつけてくる。

 

 

僕はこのブログを感傷的なブログにしたくはないが、これがいまの僕の正直な気持ちだ。やはり僕は寂しいのだ。ブログにはなるべく本心を書いていきたいので、あえて書いている。

※時間が解決すると思います。それまでは、もうしばらく感傷ブログをお楽しみください。

 

 

 

 

何本も運河を渡り、30分ほど歩いて宿に無事到着。1泊10ユーロ。チェックインを終えてベッドに横になる。iPhoneで時刻を確認すると、もう17時近い。

 

いつもの僕なら、部屋に荷物を置くとすぐに近所の散歩に繰り出していただろう。

しかし、今日はなぜか、ものすごく体調が悪い。飛行機の移動で疲れたのだろうか。

 

頭が割れそうに痛い。何もやる気が起きない。

なんとかシャワーに入り、下着の洗濯を終わらせることはできたが、それから外出する気はまったく起きなかった。

 

 

 

スーパーで買った水をゴクゴクと飲み、ベッドに横になる。

全身が重たい。

 

 

まだ19時にもなっていなかっただろう。

僕はそのまま眠りに落ちていった。

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