君の知らない世界一周物語

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バイバイ汐見荘。旅立ちの朝に

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ひとり、またひとり。仲間たちが帰国していく。

3月というのは、なにかが終わり、なにかが始まる。そういう季節なのだ。

 

ぼくが旅に出てちょうど8か月が経った。

数えきれない出会いと別れがあった。

 

たくさんの仲間たちがぼくを通り過ぎていった。

彼らの気持ちのいい笑い声は、朝のフィレンツェで聞いた鐘の音のように、ぼくの心にかすかな余韻を残していく。

 

 

みんな帰っていく。

特にこの季節は、大学生の春休みシーズンということもあり、帰国していく仲間の多さが目立つ。

 

 

 

春。出会いと別れの季節。

 

ぼくもぼんやりと帰国を意識してしまう。

 

 

 

 

日本で待つ仲間たち。おいしい日本食。読みたい漫画。見たい映画。たくさんの楽しみが、日本にはある。

日本に帰りたい、という気持ちが大きくなる。

 

 

 

 

いいや、まだ帰れない。帰りたいけど帰りたくない。

まだやり残したことがある。そんな気がする。

 

 

 

「そうだ、こういうときこそーーー」ぼくは祈るような気持ちで自分に言い聞かせる。「動こう」

 

迷ったときの正解は、いつだって”移動”の中にある。動き続けよう。それが旅人というものだ。

いろいろなものに後ろ髪を引かれながら、ぼくら旅人は次の一歩を進めてきたではないか。

そうだ、次の一歩を。勇気の一歩を踏み出せるぼくらこそが、旅人なんだ。

 

 

そうしてぼくは、汐見荘を出る決心をした。

海の見える街ビーニャデルマールのやさしい朝日が、今日も街を包んでいる。
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