君の知らない世界一周物語

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世界一周出発日の出来事。小松空港から香港まで

2014年6月30日、月曜日。

ついにこの日がやってきた。

そう、世界一周出発の日。

1カ国目は香港(中国)。

小松空港から上海浦東国際空港で乗り換え、香港国際空港まで向かう。

香港での動きは特に決めていなかった。入国さえしてしまえばこっちのもの。イベントは自然と生まれる気がする。

 

「行けばなんとかなる」

そう思って、あえてノープランで出発した。プランは現地調達。そんな偶発性の中に身を投じてみたい。

計画的ノープラン

こんな矛盾した言葉も存在を許されている。

 

片道航空券で果たして飛行機に乗れるのか?という不安はあったものの、すんなりと乗れた。よかった。

13:30離陸予定の中国東方航空。エコノミークラス。21,680円。

エコノミークラスというのもあり、出発が約1時間遅れた。どうってことない。そういった遅れも含めての格安航空券である。

 

2時間ほど飛び、上海浦東国際空港に到着。おそろしく縦長な建物だった。端から端まで歩くと、10分ほどかかりそうな感じだ。僕が新卒サラリーマン時代、東京で借りていたアパートの、最寄り駅までの距離と同じじゃないか。

乗り換えの待ち時間は3時間。おそろしく縦長な空港を端から端まで歩きながら、どこか時間をつぶせそうな店を探す。

スタバがあったので、僕は足を止めた。しかし、喫茶店の数は少なく、死ぬほど混雑していた。まるでセール中のミスドである。「こんなのスタバじゃない」と吐き捨て、僕は再び歩き出した。

 

と、VIPラウンジを見つけた。ファーストクラスやビジネスクラス、あるいはハイクラスのクレジットカードを持っていると、無料で入場できる。しかし、普通に入場しようと思えば、2,000円とか3,000円とかかかってしまう、そんな最高級な休憩所である。

僕はエコノミークラスなので、普通なら無料入場はできない。しかし、僕はプライオリティパスを持っているので、無料で入場することができた。

※プライオリティパスとは、エコノミークラスでもVIPラウンジに無料入場できるようになる、まさに夢のカードである。楽天プレミアムカードに入会すれば、無料でもらえます。

 

さて、VIPラウンジに颯爽と入店。店内には100席ほど革張りのソファーがあったが、ほとんどガラ空きの状態だった。これが連邦のVIPラウンジの実力なのか。

多くのVIPラウンジでは、無料で軽食やドリンク(お酒も)を楽しむことができる。ここ上海浦東国際空港のラウンジには、ビール数種類とサンドウィッチが置かれていた。

ハイネケンとサンドウィッチ。
写真 2014-06-30 16 56 43

トマトとチーズのサンドウィッチに、ツナのサンドウィッチ。シンプルだが悪くない。なかなかの味だ。

昼間から飲むビールというのも、非日常感を味わう常套手段である。

 

iPhoneに入れてきた書籍を読んでいたら、あっという間に2時間が経ってしまった。

いざ、本日2度目の航空機搭乗だ。

 

搭乗口は214番。ロビーのテレビで、W杯のダイジェストをやっていた。ロッベンがシミュレーションでPKを得て、メキシコに勝利していた。ロッベンの顔芸。

 

空港内バスで航空機の真下まで送迎してもらい、搭乗。

座席は44Aの窓側。窓側席はトイレに行くとき面倒だが、離陸と着陸の景色を楽しめるので好きだ。

ふと、となりに力士のような巨漢男性が座ってきた。太ももが女性のウエストほどの太さである。

2時間のフライト中、彼はとても窮屈そうにしていた。

その力士は飲み物をまわしてくれるような紳士で、笑顔も素敵だった。彼の存在により、体積的被害は受けなかった。あえて言うとすれば、彼の体温が高く、僕も一緒に汗をかいたぐらいだ。

世の中には、そういう種類の発汗もあるのだ。

 

フライトを終え、香港国際空港に到着した。

慣れないイミグレーションカードを書き、入国審査を難なく突破。片道航空券で、問題なく香港に入国できた。

 

所持金は2万円ほど。とりあえず2,000円を香港ドルに両替してもらう。146香港ドル。1香港ドル=13円ぐらいか。

空港は市街地よりもレートが悪いらしいが、電車に乗るためには仕方がない。

 

エアポートエクスプレスという電車に乗り、九龍(カオルーン)へ向かう。そう、ヤフー知恵袋の知識である。

僕はチョンキンマンションに行きたかったので、日本であらかじめアクセス方法を調べてきていた。

ヤフー知恵袋に「エアポートエクスプレスで九龍まで行く。そこからバスで行ける」みたいなことが書いてあったのだ。

 

空港から九龍駅まで、電車で20分ほどだったと思う。これで運賃90香港ドル(約1,300円)は高い。

九龍駅には大きな駅ビルがあったが、もう23時近いため、ほとんど店は閉まっているようだった。

バス停の場所がわからなかったので、近くにいた警備員のおじさんに声をかけた。

僕「チョンキンマンションに行きたいのですが」

おじさん「それならチムサーチョイまで行くんだ。そこで人に聞けばわかる。だけど、チョンキンマンションはいろんな国の人がいて、危険な場所だから気をつけなよ」と言いながらバス停の場所を教えてくれた。

おもしろい。そういう冒険を待っていたんだ。

 

バス停。おんぼろバスが何台か停まっていた。

バスに乗り込むと、運転手が「お金をここに入れて」と示してくる。どうやら香港のバスは先払いシステムのようだ。

表示金額は6.3香港ドル。金額の小数点表示は、僕たち日本人にとっては珍しい。どうやらこれは「6ドル3セント」という意味らしい。

聞いてみると、両替もおつりもナシとのこと。僕は1ドルと5ドルと10ドル硬貨しか持っていなかったので、10ドル入れた。

 

じつはこのとき、運転手と僕以外に、おそらく現地人と思われるカップルがいた。

運転手は英語がほとんど話せなかったのだが、そのカップルが通訳してくれた。彼らはすぐに降りていったが、うれしかった。異国の地で、人の温かさを感じられること。これは何にも勝る感動体験だ。
写真 2014-07-01 8 13 45

 

バスを走らせること5分。チムサーチョイに着いた。

目的地であるチョンキンマンションは、ネイザンロードという繁華街に面している。が、繁華街らしい雰囲気はない。終電後のオフィスビル街といった感じで、ひっそりとしている。

バスを降りてすぐ繁華街、というイメージを完全に裏切られ、不安を感じる。

と、そこへ缶ビール片手に歩いてくる青年を発見。彼に声をかけた。いや、声をかけずにはいられなかったと言うべきか。

僕「すみません、チョンキンマンションに行きたいのですが」

ビール男「え?どこですか?わからないので調べてみます」

と言って、彼はその場でスマホを取り出し、グーグルマップで調べてくれた。なんというホスピタリティ(もてなしの心)。

ビ「ここですか?」

僕「(画面を覗き込みながら)あ、ここです!近いですね。ありがとうございました!」

ビ「ついてきてください」

と、恐縮する僕を尻目に、彼は歩き出した。

 

ほんの数分間だったが、道中で彼と少し会話をした。

彼は30歳で、結婚している。近くで働いていて、今も仕事の帰りだった。などなど。

しばらく歩くと、銀座のような繁華街に出た。そしてチョンキンマンションに到着。

ビ「ここだね。それでは、よい旅を」

ビール片手に現れた彼は、当然のように道案内をし、消えていった。できすぎている。まるでRPGじゃないか。

 

とてつもなくRPG的な男性。柔和な対応と、手には缶ビール。不思議な組み合わせだった。

こうして僕は目的地にたどり着くことができた。そして、怪しげな雰囲気満載の、チョンキンマンションに足を踏み入れるのだが…

(続く)

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